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Vol.43 喫茶店で朝食を。

 

 朝、喫茶店の扉を開けると、パンとコーヒーとドレッシングやなんかのにおいが漂っていて、一日の始まるその時間を、みんな思い思いに過ごしています。 

 

 モーニングは喫茶店で食べるもの、そして喫茶店では、食事でもコーヒーでも、終わった後には日本茶が運ばれてくるもの。高知ではその商習慣がゆきわたっていて喫茶店のモーニングはどこも充実しているし、食後のお茶は時に梅昆布茶が供されたりもします。いい習慣だなあと思います。

 

 ずいぶん前、学生時代に好きだったお店のモーニングは、スムージーのようなミックスジュースとパンにサラダ、ポーチドエッグのスープなどがセットされていました。やがてお店は閉まってしまい、そのモーニングが後々何十年たっても懐かしいものになるとは思いもよりませんでしたが。あのポーチドエッグをまねてスープをつくろうとしても、簡単なようで再現することはできていません。

 

 仕事で観光パンフレットを作る時に、早朝の長距離バスで高知へ着いた人にぜひ、喫茶店のモーニングを味わってほしいと思い、特集したことがありました。観光客向けのお店ではなくて、地元の人が朝も昼も利用している喫茶店。その数もずいぶん減ってきましたが、朝の最初の食事、という意味ではランチよりも五感に記憶されるのがモーニングなのかもしれません。


2015-01-30 配信

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