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Vol.28 クスノキ通りに。
はりまや橋から桟橋通りへかけての南北の電車通りは、高知市内ではきわだつぐらい、緑の多い通りです。路面電車の「土電」がまんなかを走っているのは東西の電車通りと同じですが、クスノキの街路樹が両側に立ちならび、だんだんに背丈を伸ばしてきました。
土電こと土佐電鉄の軌道にも、少しずつ緑がふえています。敷き詰めてある石畳をはがし、緑の芝草に換えているのです。電車は複線なので、けっこうな幅になります。とりわけ土電の車庫などがある桟橋通りの路線に力を入れているのか、東西の電車通りよりも緑化がすすみ、この夏はずいぶん目を楽しませてもらいました。
芝草なので、冬になるとしばらく枯れてしまいますが、常緑樹のクスノキベルトは、冬も緑の葉を残しています。高知の街には通りの愛称がほとんどなくて不自由するので、この通りを勝手に「クスノキ電車通り」と呼ぶことにしました。クスノキの街路樹は県庁前や追手筋にもあるのですが、電車通りのクスノキなら、なんといっても南北の通りです。
秋になれば、外国から高知へ来た電車たちが、調整のお休みから復帰すると聞きました。グリーンベルトの上をゆったりと走るであろう、おしゃれな電車を思い浮かべながら、路面のかげろうに汗をぬぐう夏が、過ぎてゆきます。
2012-08-27 配信
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