top of page
Vol.10 旅人のように。
高知駅が、すっかり新しいひとつの町のようになってから、夏と秋が過ぎました。まだこれからも周辺には新しい建物やなにかができつつありますが、ひと段落した感じです。以前の高知駅の記憶からは考えられないほどの変化に、とまどいもおぼえるけれど、いままでとはちがった駅とのつきあいが、はじまりました。
旅に出るわけでもないし、ショッピングモールになっているのでもないのに、駅へゆくのです。そして、カフェで旅人に混じる時間。少し旅モードのコンビニに立ち寄る時間。なんとなく駅を歩いてみる時間。そういうことは、私の生活と高知駅の間には、これまでまったくなかった展開です。車社会の高知の例にもれず、私もどこへ行くにも車なのですが、駅付近には店舗用の広い駐車場があるおかげで、渡り鳥のような日中の羽休めには、心地の良い場所となりました。
ときどき、列車の気配がします。アナウンスも聞こえます。でも、まだホームには上がっていません。以前は改札口のすぐ前に見えていた列車も、今は高架になったホームに停車していて、駅から離れないと見えません。いつか切符を買って、ご近所への旅をしてみようと思っています。もちろん、ひとりで。それまでは駅への旅を楽しむことにしましょう。
2009-12-19 配信
bottom of page