top of page

 Vol.54 青空マーケット 
  

 週ごとにテントが出る街路市を歩いていくと、おおよその旬の区切りである2週間のあいだに収穫されるもの、いわば高知の息づかいが、色や香りとともに見えてきます。何週間もでている野菜やくだものもあるけれど、その年に一度しか見られないような、ほんとうに旬のものに出会うこともあって、つい手に入れてしまったり。

 高知市の日曜市は、お城からつづく車道の片側を朝から夕方までぜいたくに止めて使い、また、火曜市は水路の上に板を渡して開店します。木曜市はオフィス街で、金曜市も街なかで開かれています。市内の曜日市は、青空マーケットばかり。そして、オーガニックマーケットは郊外の公園で、土曜日ごとに。

 お店に座っているのは、生産者のひと。作り手のひと。産直スタイルの店舗が増えても、街路市には、おばちゃんたち(とあえて呼びます)との会話ができる楽しみがあるせいか、また、おばちゃんたちもお客さんとの話が励みになるのもあって、なくなることはなさそうです。

 高知は一国一城の店主が、業種を問わず、とても多いと聞いたことがあります。この青空マーケットも、そういう店主の集まりです。売り手も買い手も、対等なことばを交わしながら、青空のもとで売り買いするという伝統を守っています。

2019-07-30 配信 

bottom of page